ひらがな「ぬ」は使用率が低いことから、廃止へ・・・というものが以前、話題になったようですが
この記事の冒頭において大切なことなので、最初に申し上げておきます。
そのようなニュースはデマです!廃止なんてことは決してあり得ません!
この記事では、ひらがなの中でもあまり存在感のないと言われるひらがなの「ぬ」に焦点を当てて
本題では、「ぬ」と「め」がなぜ似ているのかひらがなの由来をもとに解説しています。
”ひらがなの「ぬ」が廃止される”と話題になった話
ひらがなの「ぬ」が廃止されるという話は、完全なる嘘のネタ(フェイクニュース)です。
こちらに元ネタを2つ掲載しておきます。
ひらがなの「ぬ」がなくなってしまったら
「ぬ」が付く名字の方々は困ってしまいますね。
温水(ぬくみず)さん・・・沼田(ぬまた)さん・・・などなど。
日本には、「ぬ」から始まる名字の方は多くいます。
決して単語として日常に「ぬ」が頻出しないからと言ってなくなることはありません!
ひらがなの「ぬ」から始まる言葉は少ない?
ひらがなの「ぬ」はしりとりで登場するとなかなか思いつかず、たしかに使いずらい文字です。
しかし、じっくりと考えてみると日常で「ぬ」から始まる言葉は結構見つかります。
以下では、ひらがなの「ぬ」を使った日常で使われる単語を紹介します。
・塗り絵(ぬりえ)・・・輪郭の書かれた絵に色を付けること
・ぬいぐるみ・・・動物またはキャラクターの形の中に綿など詰めて作った玩具のこと
・布(ぬの)…植物の繊維などから作られた織物
・布地(ぬのじ)・・・布、織物のこと
・沼(ぬま)・・・水深5m以下の泥の深い池のこと
・ぬか・・・玄米を精白した際に出る果皮・種皮・外胚乳などのこと
・縫い針(ぬいばり)・・・縫物をするときに使う針のこと
・ヌードル(ぬぅどる)・・・麺類の総称
・ヌンチャク・・・琉球古武術で使う武器の一種
・ぬらりひょん・・・岡山県 備讃瀬戸(備讃灘)で多く出没する海坊主
※「ぬらりひょん」は、「ん」で終わるのでしりとりを終わらせるにはもってこいの単語ですね。
ひらがなの「ぬ」と「め」が似ているのはなぜ
さて、ここからが本題です!
ひらがなの「ぬ」は「め」の最後を結んだ形になりますね。
この「ぬ」と「め」が似ている理由は、由来する漢字を見ると明らかです。
ひらがな「ぬ」の由来
「ぬ」の由来は漢字の「奴」です。
「奴」を一筆書きのように続けて書くと、「ぬ」に近い形状になります。
その形状から変化して「ぬ」なりました。
「奴」という漢字は”ヤツ”、”奴隷”の”ド”と読まれることが多いですが
呉音(ごおん)では”ヌ”と発音されていたことから、ひらがなの「ぬ」に発音が残りました。
※呉音(ごおん)とは、漢字を音読みするときの読み方の一つで、遣隋使らによって漢音が持ち込まれる以前から日本に定着していた漢字音
ひらがな「め」の由来
ひらがな「め」の由来は漢字の「女」です。
く → ノ → 一(くのいち)
の書き順で一筆書きで書くと、「め」になります。
女々しい(めめしい)の言葉のように「女」という文字は「め」と読みますね。
そのまま、ひらがなの音になっています。
【結論】「め」と「ぬ」が似ているのは「女」が共通だから
ひらがなの「ぬ」と「め」が似ているのは由来する漢字「女」が途中まで共通だからですね。
まとめ
ひらがなの「ぬ」が廃止されるというフェイクニュースが話題になりました。
・しりとりをしていると「ぬ」から始まる単語が思い浮かばない
・日常で頻繁に使うことのない文字「ぬ」
だと思われたことから、このようなフェイクニュースが面白おかしくとりだたされたようですね。
しかし考えてみると、「ぬ」から始まる単語は結構あるものです。
しりとりの際は、参考にしてみてください。
また、ひらがなの「ぬ」と「め」が似ているのは、由来の漢字が「女」と書き始めるのが共通しているからです。
日本語を勉強している外国人の方やお子さんに聞かれた際の豆知識として、覚えておくのもいいですね。