日本語のひらがなワ行はかつては、「わゐうゑを」と表記されていました。
そのうち「ゐ」「ゑ」は現代では日常生活でほとんど使われることはありません。
しかし、「を」に関しては、どんな文章にも登場しますね。
この記事では、ひらがな「を」に関する
・「を」の発音・読み方
・「を」の使われ方
・「を」の書き方、由来
の解説をしていきます。
お子さんや、外国人の方に聞かれたときなどの豆知識です。
ひらがな「を」はお(o)と発音する
平仮名の「を」は「うぉ」ではなく「お」と発音します。
1946年に、「を」と「お」の発音は表記に関わらず「お」(o)に統一されました。
以下、ウィキペディアより引用です。
1946年(昭和21年)には表音式を基本とした『現代かなづかい』が公布され、現代の発音を反映した仮名遣いが採用された。これにより「お・を」の表記は語源に関わらず「お」に統合されることになったが、助詞の「は」「へ」「を」に関しては使用頻度が高く書き換えの抵抗感が強いため、発音通りに「わ」「え」「お」と書くのではなくそのまま残された。
引用元:Wilipedia
起源を辿れば、「を」はワ行にあることから「うぉ」(wo)が正解だったのでしょう。
パソコンで「を」を入力するときも「WO」ですよね。
また、地方や年代によっては「うぉ」と発音される方はいるようです。
しかし、現代では「を」の発音は「お」としています。
「を」と「お」発音は一緒。使われ方の違いは?
日本語には「を」以外にも「ゐ」「ゑ」などの文字に伴う発音がかつてはありました。
これらは、もともとの発音によって、どの文字を使うかがきちんと使い分けられていました。
しかし、戦後、日本語をよりわかりやすくしようと教育の改訂があり、わ行や、や行の「ゐ・ゑ・を」は、あ行の「い・え・お」に統一されることになりました。
ただ、「を」に関しては助詞としての用法があることから、残されました。
(※助詞とは「てにをは」~に、~は、~を、~へなどのことをいいます)
日本語の「を」は助詞として使われる
「を」の一文字は、文法的に使われます。
【前半の言葉】を(+)【後半の言葉】とすることで、その行動の結果であったり、その動作の期間であったり、色々な関係を持たせ意味を成します。
例えば、
『おかしをかう』の「を」。
これを「お」に変えてしまうと
『おかしおかう』
となります。
文字(とくに平仮名)だけにするとわかりにくく混乱してしまいますね。
助詞として使う場合に限り「を」という文字を使うことが認められたのです。
日本語「を」とは違う「お」の使われ方
「お」は、主に丁寧にしたい言葉の頭につけて使われます。
「を」とは違い文や単語の間に入れても意味はありません。
例えば、
・お味噌汁
・お土産
・お弁当
等、たくさんありますね。
・「を」は言葉と言葉の間に入り、2つの言葉を関係づけ、一つの文章にするための文字。
・「お」は単語を丁寧な言い方に使います。
ひらがな「を」の由来・成り立ち
ひらがなの「を」の由来となる漢字は「遠」だそうです。
「遠」という文字が由来とは思えないほど、ひらがなの「を」はシンプルですね
「遠」は、訓読みで「エン」と読みますが「オン」という読み方もされます。
・遠国(おんごく)…遠い国、外国を表す
・遠流(おんる)…罪人を遠方の地へ流す。
昔の古い仮名遣いでは「おん」→「をん」とかいていました。
ひらがな「を」書き順・書き方
「を」の全体のシルエットは縦長です。
ひらがなの「ち」「と」が混ざり合ったような形をしていますね。
うまく書くポイントは、2画目。
左斜めに勢いよく筆をおろしていき、曲がった後は真っすぐにするを意識するだけで、印象が変わります。
上手くバランスが取れないという方は、「を」中心となる2画目を意識してみてください。
まとめ
ひらがなの「を」の発音は「お」(o)です。
かつては「うぉ」(wo)と発音されていたようです。
現代では、文章の中で「助詞」として使われることがほとんどです。
いつも何気なく、文章の中でみかけるひらがなの「を」。
この一文字で、文法的な役割を成しています。
日本語って英語のような文型に縛られない…なんとも不思議な素敵な言語ですよね。